気密性が高い住宅はデメリットが多い?特徴やメリットについても解説2025.05.14

- 気密性の高い住宅ってどのような家?
- 気密性が高いとどのようなメリットがあるの?
- 気密性の高い家にはデメリットもあるって本当?
ここでは気密性の高い家を建築予定の方へ、気密性の特徴や見落とされがちなデメリット
を含め、快適に過ごすためのポイントや対策を解説します。
この記事でわかること
- 気密性の高い住宅の特徴
- 気密性の高い住宅に住むメリット・デメリット
- デメリットを回避し快適な暮らしをするために
Contents
気密性が高い住宅とは?その特徴と基準を詳しく解説

気密性とは、外気の侵入を防いで密閉性を高め室内の熱移動を抑制する機能です。
隙間風が入らないように必要以上の開口部を塞ぎ建物の温度を一定に保てるようにします。
ここでは、気密性の特徴と基準について解説いたします。
気密性基準はC値で表す
気密性能は隙間がどれだけ小さいか計測するために数値化が必要です。
隙間面積はC値で表し、現在は具体的な基準はありませんが、数値が低いほど気密性は高くなります。
計算式は以下の通りです。
【C値の計算式】C値の計算式
C値(c㎡/㎡)=建物全体の隙間面積(c㎡)÷延べ床面積(㎡)
しかし、計算だけではなく、専用の気密測定器を使って測定するとより詳しくわかります。
建築が始まり断熱及び気密の施工が終わったときと、引き渡し前の2回おこなうのがおすすめです。
建物の老朽化を抑制する
住宅が老朽化する原因はいくつかありますが、深刻な被害をもたらすのが結露です。
木造の住宅の結露は基礎部分に大きなダメージを与え、カビや腐食が起こるとシロアリ被害によって倒壊の危険性も高まります。
断熱性が高くても気密性が低いと、外からの冷たい空気が入り込み、結露の原因となります。
気密性が高いほど結露が起こりにくく、建物の劣化を防げるようになるのです。
建物の劣化を予防すれば、住宅を長持ちさせ資産価値を保てるようになる点からも、気密性が重要であるとわかります。
換気効率が上がる
気密性の高い住宅は、建築基準法によって24時間換気システムの導入が義務化されました。
設置した換気口を利用し計画的な換気を行うと、室内の空気は循環されます。
隙間のある家では得られない快適性があり、花粉やハウスダストなどの不安からも解放されます。
効率よく換気を行なえると快適性が高まり、家族が健康で安心して暮らせるでしょう。
気密性の高い住宅に住むメリットを見逃していませんか?

気密性の高い住宅は、同時に断熱性能にも優れているため、寒暖差を感じにくくなるのが最大のメリットです。
ここでは具体的に、どのようなメリットがあるかを解説いたします。
省エネ効果が期待できる
気密性が低い家は隙間が多いため、外気が室内に入り込みやすく、場所によって温度差を感じるようになります。
「廊下が寒い」「水回りが冷えている」など、気密性が低い家では冷暖房効果を十分に発揮できません。
室内温度を調整するために、冷暖房設備の温度を上げ下げしても快適にはならず、無駄なエネルギーを使用し光熱費が高くなります。
気密性を高くすれば、無駄なエネルギーを使わずに快適な温度を保ちながら生活できます。
室内の温度を一定に保てる
寒暖差のある住宅は、隙間が多く気密性が低いだけでなく断熱性もありません。
気密性と断熱性はセットで考えなければならない重要なポイントで、気密性と断熱性がアップすれば、家のどこにいても同じ温度を体感できます。
室内温度だけでなく、湿度もコントロールし一年中快適に生活できます。
冷気で足元が冷えたり、トイレや脱衣所が寒くて暖房器具を入れる必要もないため、ヒートショックの予防になるなどメリットが多いです。
断熱効果が高い
断熱材は空気を含むと熱を閉じ込め、逃がさないようにしますが、気密性が低いと効果が発揮できません。
床や天井・壁などに使われた断熱材に隙間があると、そこから冷たい空気が室内に入り込んでいくからです。
熱の出入りが大きい窓や玄関は、断熱性能の高いものを利用し、隙間がないようにテープなどで補強します。
気密性と断熱性は、どちらが欠けても快適にはなりません。
住宅全体を断熱材で囲み、気密性を高めれば寒暖差の少ない快適な住宅の完成です。
結露が少ない
湿気が多く温度差があると結露しやすく、冬場は窓枠が結露しカビが生えてしまった方もいるのではないでしょうか。
実は窓だけでなく、温度差が大きな住宅では壁の内部にも結露を引き起こし、トラブルが発生するケースもあります。
床が抜ける・壁が弱くなったなど、結露による腐食やシロアリが原因かもしれません。
気密性が高い家は、冷たい空気を遮断するため結露を予防できます。
結露が起きやすいサッシや玄関ドアは、断熱性能の高いモデルを選び、隙間がないように施工すると効果的です。
遮音性が高くなる
あまり知られていませんが、気密性の高い住宅は遮音性も高くなり、外の雑音が気にならなくなります。
音は空気の振動によって生じるため、隙間がなければ無駄な音は室内には伝わりづらくなり、悩みを軽減できます。
完全に消えるわけではありませんが、道路に面した住宅であれば車の騒音や人の話し声が聞きづらくなるでしょう。
室内の音も漏れにくいため、テレビの音声ボリュームが大きくても外には聞こえにくくなります。
騒音トラブルで悩んでいる方は、気密性の高い住宅にこだわってみてはいかがでしょうか。
資産価値の向上につながる
住宅の資産価値は、土地やエリアの築年数など複合的な点で判断します。
基礎がしっかりしており、傷みが少なく耐震性がある住宅は、高額売却も可能です。
気密性は経年劣化で低下していきますが、そうでない家と比較すると住宅の寿命が長くなります。
もちろん、大切な家にはできるだけ長く住んでいただくのが理想ですが、将来的に相続を考えると資産価値は高い方がよいでしょう。
実は見落とされがち!気密性が高い住宅特有のデメリットとは
気密性の高い家は快適性も高くメリットが多いのですが、忘れてはいけないデメリットもあります。
ここでは、マイホームを購入する前に、知っておきたいデメリットについて解説します。
建築費が高くなる
気密性と断熱性はセットで考えなければならず、高気密高断熱の住宅にするには、吹きつけタイプの断熱材を利用します。
一般的にはグラスウールが使われますが、気密性を高めるには断熱材も隙間なく家全体に使わなければなりません。
このように、特別な資材を使ったり断熱性能の高い窓を設置したりするのが必要です。
また24時間換気システムの設備導入、施工技術を持った職人への依頼で、初期費用が高額になります。
メンテナンスコストや光熱費の節約などを比較し、コスト面で納得できるかがポイントです。
内部結露
気密性が高ければ内部結露予防になり住宅を長持ちさせられますが、気密性能は永遠ではなく経年劣化により低下します。
地震によって住宅に歪みができたり、経年劣化によって小さな隙間ができたりするのが原因です。
たとえば、毎日出入りする玄関ドアや窓のサッシは目に見えない小さな歪みや隙間ができてしまいます。
耐震性が高い家でも、揺れが大きければ歪みが起こりますし、歪みから冷たい空気が入り込むと内部結露が生まれます。
施工の段階で、隙間があるのに気づかないまま引き渡されるケースもあるので注意が必要です。
過乾燥
物理的に考えれば、気密性が高い家は乾燥しませんが、冬になるとのどが痛く咳き込む方も増えています。
冬の水分量が少ない空気を室内で、快適な温度にしようとすれば湿度が下がります。
適度な湿度は粘膜や肌に潤いを与えますが、寒い冬に部屋の温度を一定にしようとすれば、空気が乾くのは当然です。
冬でも洗濯物が乾きやすいメリットがありますが、部屋が乾燥しすぎてしまうと風邪をひきやすくなる、火事になりやすいなどのデメリットが発生します。
気密性の高さのデメリットを回避するための重要なポイントと対策

気密性の高い家のデメリットを回避するためには適切な対策を講じるのが大切です。
では、具体的にどのような対策が必要なのでしょうか。
ここでは、気密性の高さのデメリットを回避する方法を解説します。
換気システム
気密性の高い家では計画的な換気が不可欠であり、24時間換気システムの導入が義務化されています。
給排気の仕方によって「第一種換気」「第二種換気」「第三種換気」と3つのタイプがあり、住宅で多く採用されているのが第三種換気システムです。
すべての部屋に給気口を設けるタイプで、設置コストと電気代が安いなどのメリットがあります。
自然給気・換気扇排気システムのため、外から冷たい空気が室内で暖まると乾燥します。
乾燥を避けるためには加湿器を使うのがおすすめです。
適度な加湿は喉や肌に潤いを与え、体を楽にしてくれます。
乾燥が強いときのみ使うなど、タイミングをみながら適度に加湿してみましょう。
適切な断熱材を使う
内部結露を防ぐためには、隙間なく断熱材を施工しなければなりません。
性能の高い断熱材を使うのはもちろんですが、施工技術が低いと十分な気密性能が得られません。
吹き付け断熱材を選ぶ、隙間部分にテープを貼ったりなどの工夫が必要です。
また、気密性能が高い家の施工実績がある建築会社を選びましょう。
地域の気候を理解し、適切な資材を使って施工できる技術をもった職人に依頼し、丁寧な施工をしてもらいます。
予算と性能のバランス
気密性を高くするには、断熱材の種類や資材、窓や玄関ドアの導入に換気システムの設置が必要です。
性能が高いものを導入すれば、金額もあがるため予算オーバーするケースもあるでしょう。
長期的に考えれば、光熱費やメンテナンス費用を抑えられますが、大切なのは予算と性能バランスです。
換気システムにこだわり、高性能な第一種換気を採用しても、施工技術力がなければ効果は半減します。
予算内でどこまで気密性を高くできるかを考え、家族で話し合い気密性の高い家を実現してください。
まとめ

どんなに気密性の高い資材や断熱材、ドアなどを使っても施工段階で十分な気密性がなければ意味がありません。
気密性が低いまま施工し、完成してから「十分な気密性がない」とがっかりしないように、専門家へ気密測定を依頼しましょう。
気密測定ならアルベルトにお任せください。
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丁寧な検査で、あなたの大切なマイホームを守ります。
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