高性能住宅とは?断熱と気密・耐震性が重要な理由と注意点も解説2025.03.24

- 高性能住宅とはどういう基準で決められるのか?
- 高性能住宅に住むうえで知っておくべきことはあるのか?
- 高性能住宅は高いイメージがあるがコストを抑える方法はあるのか?
これからマイホームの購入や新築を検討するのであれば、長期的に安心・安全に暮らせる要素を満たしているのか、確認が必要です。
建物の取得費用を安く抑えられたとしても性能が悪ければ、光熱費や修繕費などでランニングコストが発生してしまうからです。
長く住みやすい家を手に入れるためにも、性能を考慮しながら家探しをしましょう。
この記事でわかること
- 高性能住宅の特徴
- 高性能住宅と健康の関係性
- 高性能住宅のコストと補助金情報
高性能住宅とは?断熱・気密・耐震性のポイントを徹底解説

高性能住宅とは、名称の通り高い性能が搭載されている物件を指しています。
このように性能が充実している物件であれば、夏は涼しく、冬は暖かく過ごせるほかに、地震や水害への耐久性が高いなどの特徴があります。
安心・安全な暮らしを担保するうえでは、欠かせない要素です。
ここでは、高性能住宅で重要な5つのポイントについて解説します。
断熱性
高性能住宅では、断熱材を用いて断熱性を高め、外気温の影響を受けにくくします。
夏の暑さと冬の寒さは、壁や窓などの建物の内部と外部を隔てる部分からジワジワと伝わってくるため、断熱材を入れると外気が室内に伝わらずに済みます。
窓の部分には、断熱材の代わりに断熱性の高い特殊な素材を取り付けると、より断熱性の効果を高められるでしょう。
物件の断熱性を可視化する際には、UA値(外皮平均貫流率)と呼ばれる単位が用いられており、外皮面積に対するエネルギーの逃げる割合を数字で表します。
UA値が低くなるほど、気密性が高い物件であると判断できるので、参考にしてみてください。
気密性
高性能住宅では、壁や窓など建物の内部と外部の隙間をできる限りなくせると、機密性を高めて、室内での温度調整が簡単になります。
昔の家屋は、風通しの良さを重視していましたが、冷暖房で温度調整する現代では機密性が重要です。
隙間があると、夏は熱気を、冬は冷気を取り込んでしまうため、冷暖房が効きにくく光熱費の高騰につながります。
物件の機密性を可視化する際には、C値(相当隙間面積)と呼ばれる単位が用いられており、床面積に対する隙間の割合を数字で表します。
C値が低くなるほど、気密性が高い物件であると判断できるので、参考にしてみてください。
なお、株式会社アペルトでは低価格でご自宅の気密測定をおこなっています。
耐震性
高性能住宅では、物件構造を頑丈にして耐震性を高めると、大きな地震がきても安心して暮らせます。
日本では東日本大震災や熊本地震のような大地震が発生する可能性があるからこそ、耐震性の高い住宅の需要が増えています。
耐震性耐震性の基準は、以下の3つです。
- 耐震等級1
- 耐震等級2
- 耐震等級3
耐震等級1は、建築基準法が定める震度6強〜7の地震が起きても倒壊・崩壊のリスクがなくて、それよりも弱い地震では損傷リスクがないとされています。
耐震等級2は耐震等級1の1.25倍、耐震等級3は耐震等級1の1.5倍の強度があります。
耐震等級1でも十分な耐震性があるといえますが、将来的に建物基準法がさらに厳しくなる可能性がある点を踏まえると、耐震等級2や耐震等級3を検討してもよいでしょう。
耐久性
高性能住宅では、職人さんが技術力に注力し施行ミスを防止するため、結果的に耐久性を高められるため、長期的に安心して暮らせます。
とくに一戸建住宅に多い木造建築の場合は、雨や結露などで物件の内部に腐食が発生すると、物件の耐久性が著しく下がってしまいます。
内部に水分が侵入する状況を壁体内結露と呼び、高性能住宅では断熱材の取り付け時に施行ミスがあると発生しやすいです。
カビや住宅内部の腐食はもちろん、木材に腐朽菌が発生するとシロアリの餌食になるおそれもあるので気を付けなければなりません。
断熱材を使うのであれば、実績豊富な職人さんに依頼すると施行ミスを最小限に抑えて、長期的に安心・安全な暮らしを担保できます。
耐久性が担保されれば、安全性はもちろん、修繕頻度を減らせるのでメンテナンス費用の節約にもつながります。
有害物質の使用
高性能住宅では、化学物質が含まれていない自然素材や自然由来の木材が使用されるので、有害物質による健康被害のリスクが軽減されます。
少し前までは建築時に有害物質が使われており、そこに住んでいるだけでシックハウス症候群などのアレルギーを発病する事例が報告されていました。
現在の建築法では一定基準を超える有害物質の使用は禁止されていますが、それでもホルムアルデヒドを含む有害物質を使った建築は合法のままです。
アレルギー系のトラブル被害に遭わないためにも、睡眠時間や休日をゆっくり過ごす家では有害物質の使われていない素材で建築してもらうようにしましょう。 一緒に住む家族のなかにアトピーやアレルギーがある場合は、とくに注意が必要です。
高性能住宅がもたらす健康へのメリット

高性能住宅は、ランニングコストの節約や物件の長寿化に効果的とされていますが、健康面でも優れたメリットがあります。
なぜなら高性能住宅は室内の気温を一定に保ちやすく、建築に使われている木材が自然由来のものばかりだからです。
ここでは、具体的にどのような健康メリットがあるのかについて解説します。
高血圧リスクの軽減
伊香賀俊治教授(慶應義塾大学)の「室温がもたらす血圧への影響」調査では、断熱性の低い家で生活していると高血圧になるリスクが高まるとの結果がでています。
調査結果として、リビングの室温が10℃低くなると血圧が平均4.3mmHg高くなるとまとめられており、室温を一定に保てると血圧上昇リスクを抑えられます。
医学的にも、気温が低いと人間の体は体温を逃さないように血管を収縮する動きをするため、血圧上昇につながるといわれています。
また、血圧上昇のほかにも、急激な気温の変化によって引き起こされるヒートショックによる死亡事故も懸念されます。
これらの問題は、断熱性の高い高性能住宅に住むと、未然に防げる可能性が高いです。
アレルギー系の有病率の低下
J-STAGEの「健康と住まいの断熱性」調査では、断熱対策のない家から断熱対策のある家に引っ越すと有病率の減少がみられたとの結果がでています。
- アレルギー性鼻炎:27%改善
- アレルギー性結膜炎:33%改善
- アトピー性皮膚炎:59%改善
- 気管支喘息:70%改善
気密性と断熱性に優れている物件は、風通しが悪くなるからこそ換気システムを取り入れているケースが多いです。
この換気システムによって室内の空気がきれいな状態に維持されて、生活する方たちの健康にもつながっていると推測されています。
高性能住宅ではなくとも換気システムを導入すれば有病率の低下は期待できます。
ただし、高性能住宅でなければ風通しが良いので換気システムの導入は必要ないと考えるケースが多いです。
そういった側面からみると、設備面ではあるものの高性能住宅に住むと健康につながるといえるでしょう。
高性能住宅の注意点
高性能住宅に住むとコストや健康面でのメリットがあるとわかりましたが、デメリットも存在します。
これから高性能住宅の建築や購入を検討しているのであれば、どのようなリスクがあるのかを把握したうえで、適切な対策をおこないましょう。
ここでは、高性能住宅の注意点について解説します。
建築コストが高くなる
高性能住宅は、断熱材や特殊な窓、設備の取り付けが必要になるので、その分の建築コストが高くなります。
一般性能の住宅と比べると初期費用が高くなる点には、理解が必要です。
とくに、ゼロエネルギー住宅(ZEH)や長期有料住宅など、より性能の高い住宅を建てようとすれば、さらにコストは高くなるでしょう。
高性能住宅の初期費用は高くなりますが、生活するなかで光熱費を大幅に抑えられる可能性があるので、ランニングコストの節約には効果的です。
また、物件性能が優れていれば、経年劣化のスピードも遅くなるので、その分のメンテナンスや修繕費などもかかりません。
長期的に住み続ける想定をしている場合は、費用対効果を見込める可能性があるため、よく比較してみてください。
カビやダニの発生
高性能住宅は、家の内側と外側の隙間を限りなくゼロにして気密性と断熱性を高めますが、この構造では空気や湿気が停滞しやすくなりカビやダニの発生につながりやすいです。
日本の住宅では、建築段階で使用されていた化学物質が原因でシックハウス症候群を発病する方が続出して社会問題に発展しました。
これをきっかけに2003年に改正された建築基準法では、2時間ごとに家の空気を入れ替えて24時間体制で計画換気を実施するように推奨されています。
一般的な住宅でも計画的な換気が推奨されているので、より空気や湿気の停滞しやすい構造の高性能住宅では、換気を心がけなければなりません。 窓を開けて物理的に外気を取り込む方法も有効ですが、換気システムを設備として導入することでより効果的な換気ができます。
高性能住宅のコストや補助金情報

高性能住宅は、一般住宅と比べて初期費用は高くかかりランニングコストは安く抑えられるといわれていますが、実際にどれほどの差があるのでしょうか。
ここでは、高性能住宅のコストと補助金について解説します。
高性能住宅のコスト
高性能住宅の初期費用は、住宅の広さや間取りなどの特徴によって異なりますが、おおよそ一般的な住宅と比べて300万〜500万円ほど高くなるといわれています。
そのため、コストの側面から高性能住宅にするべきか悩んでいる方は、一般的な住宅よりも高くなる費用対効果が期待できるのかが判断基準となるでしょう。
高性能住宅にすると節約できるランニングコストの項目は、以下の通りです。
一般的な住宅 | 高性能住宅 | |
電気代 | 約45万円 | 約21万円 |
ガス代 | 約12万円 | 0円 |
ある省エネ住宅シミュレーションの結果では、電気代を年間24万円、ガス代を12万円ほど節約できると算出されていました。
一般的な住宅の場合は、光熱費の年間費が約57万円ほどかかりますが、高性能住宅にすると光熱費の年間費を約21万円まで抑えられる可能性があります。
10年住み続けると60万円ほど節約できる計算になり、初期費用が高くても高性能住宅にしたほうが良いと判断できるでしょう。
H3. 高性能住宅で使える補助金制度
高性能住宅の初期費用は高くなりますが、住環境を良好にする観点から国や自治体の補助金制度を活用できる可能性があります。
補助金限度額 | 税制特例 | |
長期優良住宅リフォーム推進事業 | 160万円(補助金対象経費の1/3) | 所得税固定資産税 |
ZEH補助金 | ZEH基準:55万円ZEH+基準:100万円 | なし |
これらのほかにも高性能住宅の新築に関する補助金を提供している自治体も多くあります。
たとえば、横浜市の場合は、新築型とリノベーション型の高性能住宅の建築に対して最大100万円の補助金制度を実施しています。
これらの補助金制度には、人数制限が設けられているので、定期的にホームページなどを確認して応募できる時期を確認しておきましょう。
まとめ
建築やリフォームなどで導入費用は高くなりますが、ランニングコストを抑えられるため長期的な視点でみるとメリットが得られるでしょう。
今住んでいる家の光熱費が気になる場合、気密性の高い高性能住宅へのリフォームをするだけでもランニングコストの節約になります。
高性能住宅が気になっていて気密測定をしてみたい方は、是非株式会社アペルトにご相談ください。