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断熱性と気密性の違いとは?
メリットデメリットや向上させる資材やシステムを紹介2024.10.03

●断熱性と気密性が高い家が良いと言われたがその理由が知りたい
●断熱性と気密性は何が違うの?
●どうすれば断熱性と気密性の高い家になるのか

本記事では、断熱性と気密性の高い家を検討している方へ、メリットやデメリットを含め、
どのような方法で断熱性と気密性が高くなるかを解説します。

この記事でわかること

●断熱性と気密性の高い家では快適な生活ができる
●断熱性と気密性の高い家のメリットデメリット
●断熱性と気密性向上のための資材やシステム

住宅における断熱性と気密性の違い

夏は涼しく冬は暖かい、暮らしやすい家づくりには断熱性と気密性は欠かせません。
言葉は耳にしますが、それぞれ住宅にどのような影響を与えるのか、わからないままでは不安に感じるでしょう。
ここでは、断熱性と気密性の違いについて解説します。

断熱性とは

建物は常に太陽光や紫外線、雨風の影響を受けています。
これらが建物全体に影響を与えないために、外壁や内壁に断熱材を使い気温の影響をうけないようにする方法です。

断熱材には種類があり、性能が高くなるほど高断熱となり、遮熱性のあるガラスを使用した窓にしたり、複層ガラスなどを採用したりするとさらに効果を発揮します。
これら以外にも、断熱効果のある外壁塗装にする、遮光カーテンを利用するなど断熱性を高める方法は様々です。

気密性とは

建物の接合部分に隙間があると、夏は熱を、冬は寒気が室内に入り込んできます。
気密性とは、その隙間を気密シートなどで外気の侵入を防いで密閉性を高くすることです。
外気の影響を受けにくくなるため、冷暖房の空気が逃げにくく建物の温度が快適に保たれます。

夏は涼しく冬は暖かいだけでなく、建物内の温度差をほとんど感じません。
水周りだけが冷えて過しにくいこともなくなり、家族全員が快適な生活を送れるようになります。

断熱性と気密性の違い

断熱性と気密性は、1年を通じて快適な生活を送るための重要な性能です。
気密性が低い家では、常に外気の影響を受けるため天候によって建物の温度も変化します。
結露しやすくなるため、湿気を浴びてカビが生えやすくなります。

断熱性が低いと季節や温度変化の影響を強く受け、冷暖房などの消費エネルギーが高くなる傾向にあるようです。
極端な温度調整は、冷暖房器具のエネルギー消費を高くするだけでなく、環境にも大きく影響を与えます。

外部から入り込む寒気や熱気を住宅内に伝わりにくくする断熱性と、隙間を減らして外気が入らないようにする気密性は、バランスよく利用することで効果を発揮します。
建物の快適性を保つには、どちらが欠けても成り立たないのです。

住宅における断熱性と気密性が与えるメリット


快適な温度を保てる住宅を建築するには、断熱性と気密性のバランスが重要といえます。
ここでは具体的にどのようなメリットがあるかを解説するのでご覧ください。

快適な住み心地を実現

快適な住宅は、朝は目覚めもよく疲れた体を癒せる空間であることが重要です。
生活動線はもちろんですが、1年通して室内の温度が安定し夏の暑さや冬の寒さを感じにくくすることで家は快適さを感じると言えます。

断熱性の高い家は蒸し暑い夏や冷え込みがキツイ冬でも、家の中に入れば、どの部屋も廊下も一定の温度に保たれていればストレスにもなりません。
リラックスした気持で毎日が過ごせる住宅こそが理想的です。
気密性が低く、住宅に隙間が多いと天井や壁・床に内部結露が発生します。
適度な湿度は必要ですが、見えない部分が結露するとカビやすくなりダニの繁殖を許してしまいます。
十分な気密性があると、カビやダニの繁殖を防ぐだけでなく住宅の劣化を食い止めることが可能です。

省エネ対策

温暖化の影響からか年々気温が高くなり、エアコンがなくては生活ができなくなりました。
節電したいとエアコンの使いすぎに注意しても、快適にするために温度調整を何度も繰り返してしまうのが現状です。
断熱性と気密性の高い家ですとエアコンの風を建物全体に行きわたらせることができるため、過度に冷暖房器具を使う必要がなくなります。
窓には遮光カーテンなどを使う、照明の明るさを変えるなどをプラスすれば、さらに省エネ効果がアップします。
一般住宅と断熱・気密性の高い家を比較すると、光熱費を節約しやすく省エネ効果がでやすいと言えるでしょう。

ヒートショックを予防

温かい場所から寒い場所へ移動したり、寒い環境から急激に暑い環境に移動したりすると、心臓や血管に負担がかかりヒートショックを起こします。
持病がある高齢者がなりやすいと言われていますが、不規則な生活や疲労が蓄積した状態であれば年齢・性別問わず倒れる可能性があります。

昔ながらの住宅は、日が当たりにくい方向にバスルームやトイレが配置されている傾向が高く、夏や冬では気温差が極端になりがちです。
暖かいリビングから、冷たい廊下を通って冷えたトイレに行って倒れてしまったり、十分に体が温まっていない状態で浴槽に入り溺れたり倒れる事故もあります。
断熱性と気密性の高い家では、建物全体の温度変化が少なく、ヒートショックの予防にも高い効果が期待できるでしょう。

遮音性が高い

断熱性と気密性の高い建物は、室内の音は反響しやすく外部の騒音が聞こえにくくなります。
車の音や歩行者の話し声が聞こえないのは、それだけ断熱と気密による遮音効果が高いということです。
室内の音は反響しやすいため、建物内の防音対策も考えておきましょう。
静かに過ごしたい寝室や、個人の部屋などには音の反響を抑えられる吸音材や遮音材の採用がおすすめです。

住宅における断熱性と気密性が与えるデメリット 

断熱性と気密性は、生活に与えるメリットはありますが、同時にデメリットもあります。
快適性を高めるために、注意が必要な点を解説します。

室内が乾燥しやすい

断熱性と気密性の高い家だけにこだわるとエネルギー効率が高いため、室内の温度を一定に保てる半面、熱がこもりやすくなるのがデメリットです。
室温変化を防ぎ一定の温度を保つためには、できる限り隙間を防がなければなりません。
隙間がなくなれば、自然と室内の換気が行われず空気がこもりやすく乾燥します。
空気が乾燥すると、風邪などのウイルスに弱くなり、アレルギー症状を悪化させる可能性もあります。
乾燥だけでなく、換気ができずに空気がよどんでしまうと息苦しさや気持ち悪さを感じることもあるでしょう。

体調がすぐれない人や妊婦さんにとっては、換気ができず乾燥やよどみがある家は過しにくさを感じます。
断熱性能と気密性能とともに重要視されるのが換気性能となります。
計画的な換気をおこない、加湿器等を利用すれば解決できるため、心配することはないでしょう。

内部結露やカビに注意が必要

壁や床・天井は内部結露が発生しやすいため、気密性を高めるための施工を行います。
高気密にしすぎてしまうと、空気が乾燥しよどみが起こってしまうため、適度な隙間を作ることがあります。
環境や施工部分によっては、内部結露によってカビが発生し、住宅の寿命が短くなるので注意してください。
防湿フィルムなどを施工すれば防げますが、適切な工事でなければ、高品質な断熱性と気密性を保つことができません。
質の高い施工ができる業者であれば、内部結露を予防し高断熱・高気密の住宅を完成させられるでしょう。

建築コストが高い

断熱性と気密性が高い建物を建築する場合、特別な資材や施工が必要になります。
気密性の高いサッシにしたり壁や床などにしたりすると施工費用が高くなります。
省エネ効果や定期的なメンテナンスや修繕費用が抑えられることを考えれば、ランニングコスト的にはメリットとなります。

どこまで断熱性と気密性を求めるのか、設備投資を含め予算内でおさまるように綿密な計画が必要です。

断熱性や気密性を向上させるための資材やシステム

断熱・気密性を高めるためには、適した資材やシステムを利用しましょう。
複数を組み合わせることで、快適性を高め生活しやすい建物が完成します。
ここでは、断熱性と気密性を向上する資材やシステムを紹介します。

吹き付け断熱

吹き付け断熱材は、液状の基材を吹き付けることにより発泡させスポンジ状に硬化させたものです。
空気が気泡に溜まることで断熱性が高まる施工で、どんな場所にも吹きつけられることから、数ある断熱材の中でも効果が期待できます。
低コストで断熱効果があるグラスウールより、吹付断熱のほうが耐水性・耐湿性に優れ、気密性も高くなります。
結露やカビの予防はもちろんですが、均一に断熱しやすくなり防音効果が高いのも特徴です。

ウッドファイバー

残材や間伐材の過程でどうしても出てしまうチップを原料としています。
環境にも優しく、調湿性能にも優れています。
水蒸気を蓄えても、内部結露とカビの発生を抑制する優れた断熱材です。
防火性能を強化しているウッドファイバー製品もあり、資材の経年劣化による変形にも順応するため気密性が衰えることはありません。
コストは高くなりますが、高い蓄熱性で室内の温度を一定に保ちます。

高性能樹脂サッシ

主に寒地で使われることが多い樹脂サッシは、塩化ビニール樹脂(PVC)を材料に使っています。
アルミサッシと比較すると隙間風や冷気が入りにくく断熱性もあり、カビやダニの発生を防ぐというメリットがあります。
劣化しにくくメンテナンスも簡単で、複層ガラスや高断熱複層ガラスを組み合わせると断熱性と気密性が高くなるのが特徴です。

換気システムの導入

各部屋へエアコンを設置し利用することもできますが、エアコンの場合にはスイッチを入れてから希望の温度になるまで時間がかかります。
断熱性や気密性が高くても、冷暖房器具がないまま生活することはできません。
換気システムを利用すれば、冬は暖かく夏は涼しく一定の室内温度を保ったまま生活できます。

熱交換換気システムを採用すれば、室内の気温を一定に保つだけでなく、空気を入れ替えて清浄化でき、湿度調整も行われるため乾燥を防ぎます。
動力を伴わないため、電気代の削減につながり省エネ交換が期待できるのも特徴です。
導入やメンテナンスには費用がかかりますが、省エネ効果による光熱費の削減が期待できるため、トータルコストで考えてみることをおすすめします。

まとめ

外気の出入りや気温の影響を受けず、建物内が一定の温度を保てる快適な住宅にするには、耐熱性と気密性を重視した施工が必要です。
四季の温度変化に左右されることなく、快適な空間を維持できるだけでなく、省エネ効果があるなどのメリットがあります。
資材やシステムの導入バランスや、施工の精度が効果をどこまで高められるかを決めることになるでしょう。

家の気密性を測る気密測定なら株式会社アペルトにぜひご相談ください。



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